No.26

スールストロミング(SURSTROMING)


秋の収穫の頃になると、新ジャガの味が恋しくなります。
茹であげた新ジャガをつけ合わせに食するめずらしい食べものがスウェーデンにあります。それが「スールストロミング」です。 スールとは饐えるとか、腐りかけて酸っぱくなるという意味のスウェーデン語です。またストロミングはバルチックニシン(鰯とよく似ている)のことです。読んで字のごとく、生のバルサチックニシンを少量の塩で発酵させた缶詰めです。 世界の食べ物で、その匂いが臭いことで有名なものに鮒ずしや、くさやがありますが、スールストロミングの臭さに比べると足元にもおよびません。
スールストロミングの缶を開ける時は絶対に家の外でやるようにと言われています。この臭いと生ぐさい味を嫌ってスールストロミングだけは敬遠するスウェーデン人もいるほどです。しかし、好きな人にはたまらなく美味しいものです。茹で上げた新ジャガ、スライスした玉ねぎと薄パン(TUNNBROD)をつけ合わせにスールストロミングを食すると、喉ごしが何ともいえぬ旨さなのです。飲み物にはシュナップス(ウォッカや焼酎)が欠かせません。スウェーデン独特の食べ物とアクアビット(焼酎)で、弱々しい秋を惜しむのもスウェーデンの人々の愉しみのひとつかも知れません。


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