No.30

近ごろのスウェーデンの病院建築


だれもが安心して健康に暮らせる仕組みをつくるのが福祉の原点だと思います。スウェーデンの福祉政策については、「母親のおなかの中から墓地まで」とよく言われます。人のケアの中核をなす物理的なものの代表格が病院建築です。スウェーデンにおける最近の病院建築は、単に病気を治し、患者を社会復帰させる場だけではないように見受けられます。医療を施すだけであれば、物理的環境としての病院建築の役割は、それほど大きなものではありません。地域住民が安心していのちを預けることのできる病院は,医療の方針と技術に負うことが最も大きいのは言うまでもありませんが、親しみやすい病院であることもひとつの要素になるのではないでしょうか?そういう意味では、近ごろのスウェーデンの病院建築は、地域における一種のコミュニティセンター的な位置づけをされているように思います。動線計画や色彩計画にアットホームな安心感をもたらす工夫がされているようです。また医療に従事する人たちの仕事環境への配慮も患者への配慮と同等に行き届いています。病院といえば白い建物というイメージがあったひと昔前とは違った建築に変わってきているようです。


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