スウェーデン訪問記2


前回につづいて親切なスウェーデン人についてお話します。
ご存じの方がたくさんいると思います、あの世界遺産である森の墓地(スコーグスシルコゴーデン)を訪れたときのことです。
いつものように正面入り口から墓地内に入りました。正面に花崗岩でできた十字架を見て、その左側にメインのチャペルを臨みます。
このランドスケープがもっとも美しいと、ぼくは思っています。ゆっくりとこの空間に身をおく自分を楽しみながら、足元の石の歩道をメインのチャペルに向かって歩を進めていきました。
これもまたいつものように、気に入った角度から何枚も写真をとりました。ここを訪問するたびに写真を撮るのですが、帰って見てみると、いつも同じ角度の写真ばかりになっています。
訪れた日が土曜日で、その日は葬儀がいくつか重なっていたようです。チャペルの入り口にその日のスケヂュールを書いた簡素な立て札を何気なく眺めていました。
すると、庭師の男性が話しかけてくるではありませんか。英語で。すごいですね、この国の外国語習得率の高さは。しかしもっと驚いたのは彼の申し出でした。
なんと、メインチャペルの中を見せてくれるというのです!これまで何度この場所を訪れたことか!設計者のアスプルンドの作品集でしか見たことのない内部を見せてくれるというのです!
喜んで!見せてください!あまりにも唐突、あまりにもその幸運さに太ったわが身が小躍りせんばかりに彼のあとをと、メインチャペルの中へ飛び込んで行きました。
すごい!動線、空間、光の採り入れ方、装飾、人間味、総て!1940年代の建築なのにいまだに新鮮な感動をおぼえます。
庭師の男性もまるで自分の宝物を披露するかのように、細やかな説明をしてくれます。彼の説明の中で、仏教の輪廻転生に通ずる考えがスウェーデンにもあることが分かり、勉強になりました。
これが二つ目のいい話です。チャペルの詳細についてはこのコラムの趣旨ではありませんので省略いたします。親切なスウェーデン人に出会えた幸運をお伝えしました。

三つ目のいい話はまた次回に。

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