スウェーデン・ワークショップ 報告


東日本大震災の被災者の皆様、ご家族や親戚の皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

3月11日からはや、9ヶ月が過ぎようとしています。相変わらずだらしのない東京電力の対応や、被災者や国民を無視した国の対応に憤りを感じずにはおれません。

酷暑の夏が過ぎ、やっと過ごしやい季節が来たのもつかの間、厳しい冬が東北地方におとずれました。寒冷地に建てる仮説住宅にはじゅうぶんな断熱を施すことが必須にもかかわらず、すでに供給された仮説住宅はほんの申し訳け程度の断熱材しか入っていません。阪神淡路大震災のときの教訓がなにも生かされず、後から、付け焼刃的にその場しのぎの寒さ対策を施しているようです。情けないかぎりです。

さて、首題のレポートがしばらく途絶えてしまっていました。
日本の主要ハウスメーカーの工場や研究施設を見学したスウェーデンの建築実務者や研究者たちの感想を前回までお伝えしました。今回はその最終回となります。

テレビのコマーシャルでお馴染みのSハウスやDハウスを訪れ、話し合いの機会をもったときのことです。
特にSハウスは今話題のスマートシティについて自社の取り組みについて説明されました。また、洞爺湖サミットに合わせて開発、建築したサミットハウスを案内していただきました。

その後のスウェーデン人たちの感想は、
日本は電化製品、車、産業分野での省エネルギー技術は進んでいるよね。でも建築分野での省エネ化はいまいち、だね。
というものでした。

エネルギーゼロ円なんて唱っているけど、太陽光発電や、燃料電池を搭載した住宅でエネルギー代を稼いでいるだけで省エネルギーでもなんでもないね。いっぱいエネルギーを消費しているじゃん。

力ずくの冷暖房して屋内の環境を保っているけど、とても快適とは言えないよね。

ほんとのエネルギーゼロに近づけるためには(もちろん冷暖房にかかるエネルギーのことです)、何よりもまず、家そのものの断熱性能を上げることだよね。
日本のハウスメーカーのアプローチは逆だよね。ほんとの節電にはならないね。

人が居住空間を快適だと感じる要素には、温度、湿度、気流などあるけど、そんなことを考えた住宅
は我がスウェーデンの家だね。

ところで、日本の住宅地を見ると、ひな壇式に土地を造成しているね。あれだと自然を破壊することになるし、生態系の維持にも問題が出るんじゃないの。
スウェーデンじゃあんな開発は許可されないし、住み手にも魅力を感じさせないし、だから見向きもされないよね。できる限り、現状の土地の形態を崩さず開発するのが我々スウェーデンのやりかただね。日本に来る前までは、自然と調和した美しい町が多いと思っていたんだけどなぁ。

今回のツアーで話を聴いていると事業体がコンペの実施をほとんどやっていないみたいだね。
住宅地の開発計画なんて一般コンペで案を募って、応募案を一般公開展示して、最優秀案を選ぶ我々の国のやり方とは全然ちがうね。ある意味ではすごく閉鎖的だよね。事業者や開発者が勝手に自分たちの都合のいい計画をしているように思えるね。

と、様々な意見、感想が出ました。
国によって事情が異なるのは仕方のないことだとは思いましたが、省エネルギーや低炭素社会を実現して、地球環境の保護に貢献するためにはスウェーデン人たちのツブヤキもあながち無視できないのでは と感じたワークショップでした。

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