スウェーデン・ワークショップ 報告


パトリック一行は、Sハウス自慢のサミットハウスへとやってきました。

サミットハウスは、2008年7月に時の首相、福田康夫がホストとなって、北海道の洞爺湖で開催したサミット会場に建設、展示されたエコハウスです。
サミット終了後、茨城県の古河市に移設されたのです。

早速、中へ入ったパトリックは、神妙に案内役の説明に耳を傾けていたが・・・・

このハウスのコンセプトは?と。

この家はゼロ・エミッションハウスです。
いわゆるCO2の排出がない家です。
それを実現するために、さまざまな技術、製品が搭載されているんですよ。
白物家電は、すべて電気の消費量の小さいものばかり。
LED照明器具やエネルギー消費量をコントロールできるシステム、熱交換換気システムなどなど・・・丁寧にかつちょっと誇らしげにつづける案内役。

ハウスの中を順序に従って、見学と説明を聞くパトリック。

またまた自慢の建材の前にやってきました。
ここに使われているサッシは真空ペアガラスで・・・・と説明し始めた時パトリックが、ペアガラスで引き違い窓か・・・ここからスースーと隙間風がと手をかざすではありませんか。
困惑顔の案内役。
弱いところをつかれたようです。

ひと通り、このハウスのすばらしい先端設備の説明も大詰めに入り、いよいよ躯体の断熱性能が一目でわかる実物を見たとたん、一行は急に今までの興奮が醒めたのか、肩でスッと落胆の色を表しました。
パトリックはそっと言いました。
スウェーデン語だから大声で言ってもよかったのですが、そっと言いました。

ハウスの躯体を高気密、高断熱化するのが先じゃないの?
その上でエコに貢献する設備や建材だろう、と。ごもっとも。

パトリックが指摘したこのことは、このあと訪問したすべての大手ハウスメーカーにも言えることでした。
住宅の高気密、高断熱化にはコストがかかります。
本体価格をコストアップさせると販売に不利になるのでしょうね。
施主の好みで、オプションに搭載できる設備でエコ住宅を実現するんですね。

案内役に厚く礼を述べてサミットハウスを後にしたパトリックが、またそっと言いました。

しかし、コンセプトはいいよね。
省エネ、環境、新エネルギー技術を駆使してゼロ・エミッションハウスの実現を目指しているんだから、地球に優しいよね。
批判ばかりしているのかと思ったら、認める部分はちゃんと認めているパトリックでした。


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